真夏の奇跡 宇宙人に遭った話

Japanese food Yutaka Spring Sales
Smeraldaでございます。

冬至まで約一ヶ月と迫ったにも関わらず、今日はどうしてもここに書いておきたいことをと思い、真夏の出来事ながらお話しさせていただきます。個人的な覚書になってしまうかもしれませんが、お付き合いください。

7月中旬に子供達と日本へ帰る日を待つ中、どうしても気がかりなことがありました。
それは歯痛です。こちらでも数回治療していただいたのですが、なーんか。しみる。
飛行機で帰った気圧の変化で悪化したのか、冷たいものどころか、温かいものでもとにかく痛い。
痛すぎると、あれ思考も停止するんですよね。温泉の夕食バイキング美味しい!と思いつつも常に付きまとう歯痛の影。 実はこれがチャンスなんじゃないか。自腹でも日本の素晴らしい歯医者さんに診てもらえと、「物事に偶然はありません、必然です」的なメッセージが今歯痛を通して舞い降りてきていのでは。。

田舎ですから評判の歯医者さんはすぐに見つかります。 

神経抜くね、抜歯かも、インプラントって言われたらどうしよう、いや言われるだろう。自費だし、同情されて逆に言われないかも、などいろいろな思考が廻る中「スメラルダさん、どうぞ」と呼ばれ診察室の中へ。
ゆとりを持って配置された診療台が6台。 キレイな衛生士さんずらり。 
「これって。。何かのサービス業?」と思えるほど美人で若い衛生士さんたち。。
先に横たわっている男性患者を疑わしい目で見ながら、案内されるまま私も横たわりました。 

「今日はどうされましたか?」 鈴の音のような可愛らしい声。聴き入っていてはいけないいけない、これからが私の真剣勝負です。自費ですから。きっちり治して頂かないといけないんですから。 
『・・・・というわけで、痛すぎて食事が憂鬱です』と説明。
「わかりました、では歯の様子を見せてください、その後、歯磨きの仕方を確認します。」

歯磨きの仕方の説明+歯石除去を兼ねたクリーニングを歯の1/4終え一旦お休み。約30分。これまでに私が気づいたこと、先生はたった一人。北海道大学歯学部卒(博士号取得)。
そして 先生はものすごく早口で何を言ってるかあまり聞き取れないこと。そして動きも尋常じゃない
速さ、細々とした動作。

私が先生の動きをじっと見ていると、歯科衛生士さんがクスッと笑い、「今いらっしゃいますよ。」
先生が来ました。「今日はどうされました?」ここまでは聞き取れました。 でもここまで。
以降 ものっ凄いスピードで話し始め、正直何を言ってるのかわからない。ありがちな歯の断面図の絵や歯ブラシ、歯茎の写真、歯周病にかかった歯の写真などをフラッシュカードのように次々と見せ説明終わり。「へ?」
そしてまた、もの凄いスピードで歯の様子をチェックしその間も超スピードで説明。 

その時私も無意識だったのですが、スッと右手を挙げました。そう、挙手です。
口を挟む間もないのですから、これしか先生を止める方法がないと。
すると今までスピード感により透けて見えていた先生の動きと喋りがピタリと止まりました。
「あの。。治療方針はどんな感じでしょうか」 すると先生が「これはね理由があって痛みが出てるのですよ、なのでブラッシングで様子を見ましょう。私はできるだけ削らない方針です」 
うそでしょ?
レントゲン撮って削って、うっかりすれば神経抜く、そういうものでしょ?
私の驚きが通じたのか 先生はまた超スピードで話し始めました。
「いいですか? この写真のように神経に沿って毛細血管が走ってるんです。神経を破壊することは毛細血管を破壊する、つまり歯に血液が流れず、そこに歯があるだけの状態になるんですよ生えているのではなく。できるだけブラッシング改善して頑張りましょう%*&%#@”P•∞§£™¡∞§-˚˙©ƒ∂」そんな主旨の話をし、衛生士さんにクリーニングをお願いし、風のように去りました。 私は必死でした。 何か聞き間違えてるのではないかと。衛生士さんに「先生、日本語喋ってらっしゃいますよね? ちょっと、というか50%くらいしか聴き取れていないのですが。全部日本語ですか?途中で違う言語に聞こえるんですけど」

すると衛生士さんは、またクスッと笑い「50%なら上出来ですよ、スメラルダさん」
ずっとずっと宇宙人には遭遇したかったのですが、歯科医院では会いたくなかった。本当に理解不能。
私のこの痛みは? これ自費で歯磨き指導に来ただけ?! 混乱の中ひとつだけ私の心で光っていた言葉。「私は削らない方針です」 なぜかこの言葉が気になり、今日は様子を見よう、教えていただいた通りに次回のアポまで頑張ろう。 宇宙人の言うことだし。。。 

 それから3回ほど通い、結局日本での通院は中途半端に終わってしまいました。
 内容は一緒。美しい歯科衛生士さんによる残りの歯石除去と丁寧な歯磨き指導。
 宇宙人はその間にもちょこちょこ現れ、また超スピードで話した後風のように去ります。
 変わったことといえば、ヒアリング能力が70%くらいになったことでしょうか。
 私が通院しなくなった理由は他にあるのですが、きっと衛生士さんたちは「あーあ、やっぱり来なくなっちゃったわね」と噂していたことでしょう。
 実家の母は母で”おかしいじゃない、結局治療せずに帰る日になっちゃうわよ?何してるの?”
 でもなぜか信じたい北海道大学歯学部博士の言葉。 

 宇宙人との短いコンタクトの中でも私の心というか、魂を揺さぶった格言が一つ。

「スメラルダさん、歯科医院というのは虫歯治療をするところではないのですよ」

 私は心の中で言いました「じゃあ何をするねん」精一杯の反抗。

「歯科医院とは虫歯の予防をするところなんですよ」 

はい、ノートに書いて。試験に出ます。 私が宇宙人だったらそう言ってました。昭和ガールの目からウロコが。。 

 そして夏が終わりを告げ帰英。 あれから三ヶ月弱。私の歯は結局どうなったのかと言いますと。
 
 痛みゼロ。歯磨き時出血傾向にあった歯茎の一部も出血ゼロ。知覚過敏だった数本も全く問題なくなりました。 今ではアイスクリームも、できたて熱熱スープも美味しくいただいております。
 
 宇宙人が言ったことは本当でした。 

 次回はいったいどんな指導をされたのか、何が必要で何が間違っていたのかをお話します。
 (光線が出たとか、特別な薬をもらったとかではありませんよ。)
 歯科にかかろうと思っている方々。 ちょっと立ち止まって考えてくださいね。


 


 




 
 



 
 


 
 




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About the Author: Smeralda

東京都出身。ロンドン郊外在住。読書、読むこと大好き。家事の才能はなし。ほぼ運転手さんの日常。たまーにUFOみたりする。みんなに支えられてるんだなと深く実感してるこの頃。

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