Teaの罠

Best Japanese food Tazaki Yutaka UK

Have you had your tea?

と、聞かれましたらなんと答えますか?

午後6時ぐらいだったとして。

え?紅茶を飲んだかって?いや飲んでない。

というか、私は紅茶を飲まないんですよね。コーヒーは飲むけれども。今日は飲んだかってこと?

これは、「夕飯はもう食べましたか?」と聞かれているんです。

イギリスは地域によっては「夕食」のことを「Tea」と呼ぶのです。イングランド北西部の夫の実家に帰ると“What do you want for tea?”なんて聞かれるの、今は慣れたもんですけど、初めて聞かれたときには、私はいらないって言ってしまいました。

というのは、おいておいてですけども。

「tea=夕飯」のことを指す場合は先述の通り、地域差です。しかしこれがまた、くっきり南北や東西で分かれているわけではありません。スコットランド西・アイルランド・イングランド南の方では「夕飯」は「Dinner」安全地域。

スコットランド南東、イングランド北から中央には「Tea」派が多く、その他どっちとも言えない地域と、「夕飯=Supper」というエリアもあるそう。

参考資料一部

というのも、この差はもとはといえば地域差ではなくて、社会階級の間にあったものだと言われています。

19世紀〜20世紀のイギリスでは、階級によって食事のタイミングや呼び方が違っていました。

上流・中流階級では、一日で一番しっかりした食事は、夕飯でした。

昼に軽めの食事をとり、これはランチで、しっかりしたディナーを19〜20時頃に取る。現在の食事の間隔ともそう離れていないようなリズムですね。

夕飯が遅めなので、空腹しのぎのアフタヌーンティーの文化があり、実はこれが現在まで脈々と続くアフタヌーンティーのことだったりします。空腹しのぎにスコーンときゅうりのサンドイッチっていうのが定番でしたが、すっかり豪勢な文化になりましたね。

対して、 労働者階級では、昼にしっかりした食事を食べる。これが「ディナー」でした。

そして夕方、仕事帰りに食べる軽め〜中程度の食事がTeaと呼ばれていたことが、今現在でも夕飯をTeaと呼ぶわけなのですね。

じゃ実際どれを使えばOK?

この名残で夕飯を指す言葉が、Tea?Dinner?そして、深く掘り下げませんがもう一つ、Supper?3派閥になってしまったわけですが、現在のなんとなくの使われ方の感覚値は以下の通り。

Dinner:一般的に最も使われています。ノンネイティブスピーカーがいう分には、Dinnerで統一で問題全くありません。Teaと呼ぶ派閥の人からすると、ちょっと“フォーマル感”が出る。レストランで夕食。という文脈のときはDinnerというだろう。とのことですが、わからないってことは全くありません。

Tea:特に北部や労働者階級のおうちでは、夕飯のことをこう呼ぶのが定番。

Supper:なんだか貴族っぽい響きがするそう。軽めの夜食や、上流階級っぽい「遅めの夕食」のニュアンス。

じゃ紅茶は?

じゃあ、紅茶のことは何て呼ぶのかといいますと、「tea」です。それは疑うことなくTeaなのです。

夕飯について聞かれているのか、紅茶について聞かれているのかの判断は、

  • 紅茶は「a cup of tea」で表現されることがほとんどなので紅茶を夕飯と間違うことはないだろう。
  • 時間でなんとなくわかるだろう

以上、あんまり親身になってくれなかった、私の夫からのアドバイスです。より、知的で文化的なアドバイスお待ちしています。

そして、お察しかもしれませんが、イングランド北部では昼食のことを「ディナー」といいます。

DinnerとかTeaとか、間違いようもないと思ってる英単語にこういう罠があるの、言語って、めんどく、奥深いですね

いつもお読みいただいてありがとうございます。ブログ・ランキングに参加していますので、下のひつじちゃんをクリックして応援よろしくお願いします

にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ にほんブログ村

下の猿ちゃんもクリックして応援よろしくお願いします
人気ブログランキング

アクセスランキング にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

Instagram / Facebook / Twitter にも遊びに来てくださいね。

About the Author: くも

スコットランド在住。動物が大好きです。猫が1番好きです。イギリス移住をきっかけに、羊が他の動物をごぼう抜きして2番目に好きになりました。

Share This Story, Choose Your Platform!