もしチャールズ3世国王が健康上の問題で公務を執行できなくなった場合 国務参事官の任命

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2024年2月5日にチャールズ3世(75)が、がんの一種と診断が下されました。衝撃的なニュースに国中は大きくメディアで取り沙汰されざわつきました。まずは、国王の健康を祈りつつ、治療が成功することを願っています。

それから1週間ほど経ち、本人は自分の寿命が危ういと心配になって精神的なダメージは大きいと思いますが、国王はゆっくり安静にしているだけとはできません。まさに「ショーマストゴーオン」です。イギリス国内の行事だけであれば、執務の数はある程度限定されるのでしょうが、イギリスには英連邦を構成する14の国があり、身体的に問題がなければ、その国家元首として憲政上の役目を果たさなけれなりません。

BBCによると、今後、人前に出る公務は中止するそうです。

レッドボックス(赤い箱)という英国やコモンウェルス各国の閣僚、世界各国の代表から君主に送られてきた文書が入っているブリーフケースがあるのですが、 君主がどこにいてもほぼ毎日政府から届き、国王はそれに署名しなければなりません。 (エリザベス女王も1953年の戴冠式の際に作ったレッドボックスを在位中、クリスマスを除いて毎日受け取っていました。)この赤い箱の業務は毎日行われ、チャールズ3世国王はこれを続けています。

しかし、もしチャールズ3世国王が健康上の問題で執務を遂行できなくなった場合、イギリス王室は公務を確実に継続するために、国務参事を任命します。チャールズ国王が付与する特許状により、2人以上の国務参事が任命され、君主の職務を遂行します。これにより、参事は君主の代理として文書に署名し、外国の大使を受け入れることができます。ただし、最も重要な役割である新首相の任命や議会の招集・解散などの権限は、与えられません。

君主の代理を務める国務参事は、配偶者(カミラ王妃)と王位継承資格のある21歳以上の王族のうち、継承順位上位の4人から選ばれます。ただし、アンドリュー王子とハリー王子にはこの役目は果たせないと言われています。事態が長期化した場合、王位継承順位1位の王族(現在はウィリアム皇太子)が任命され、チャールズ国王に与えられていた権限を引き継ぎます。

過去を振り返ると1950年代初頭にチャールズ3世の祖父、ジョージ6世が肺がんであると診断された時、バッキンガム宮殿で肺の一つを摘出する手術を行い、王妃を含めた王族が憲政上の役割を果たしましたが、今のところチャールズ3世国王にはその必要は見受けられないと言われています。現在、国王は定期的な治療を行なっており、表立っての公務を延期され、カミラ王妃やウェールズ公ウィリアム皇太子がいくつかの公務を代行するようです。

ウィリアム皇太子にとっては、1月に腹部手術をしたキャサリン皇太子妃が4月まで公務を休む予定で、心配事は重なります。

現在チャールズ3世国王はロンドンの邸宅クラレンスハウスから東部ノーフォーク州サンドリンガムに移動、滞在しており、2月11日(発表から6日後)に初めて公務で外出し、セント・メアリー・マグダレン教会へ向かい、集まった人々の前に現れました。民衆に向かってカミラ王妃と共に手を振っていたそうです。

前日の10日には王室のホームページで国王からのメッセージが一般の人々へ向けられました。

”I would like to express my most heartfelt thanks for the many messages of support and good wishes I have received in recent days.”(ここ数日、私が受け取った多くの応援と好意のメッセージに心から感謝の意を表したいと思います。)

英王室のウェブサイト

デイリーメールによると、アメリカカリフォルニア在住のハリー王子はこのニュースでロンドンにいる父を訪れ30分ほど面会したと報じられています。ちなみにウィリアム王子とキャサリン皇太子妃には会わなかったそうです。

癌に侵されたチャールズ国王は「ストレスレベルを抑えるため」息子のハリー王子と面会したのは30分間だけだった、と王室専門家が主張(デイリーメール英語版)

ノーフォークで治療に専念しているチャールズ3世国王は元気な様子を見せて国民を安心させています。国王の公務と自分の病気との闘い、そして家族との絆を維持するために過度なストレスが必要とされる国王。がん治療に立ち向かい、早期回復を願います。

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About the Author: ジゴロッキー

2001年よりロンドンで活動。夢は悟ること。国籍日本。解決方法:時間。

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