

はじめての999
先日初めてイギリスの救急・消防番号999にかけることとなりました。先に申しますと、けが人なし、惨事なし、オチなしのお話ではございますが、いいこと一つ知ったので、ご紹介と教訓のシェアを兼ねて今回の記事の題材にしようと思ったところでございます。
前回書かせていただいた記事で紹介した自然保護区に、その後も足蹴く通っていまして。
とある日のバードウォッチングの帰り、保護区から望める、山(サイズ的には丘?)の斜面から、煙が上がっていました。

一緒に保護区を訪れていた友人と、なんだろうね、とぼんやり見ていたのですが、結構な速さで火が広がっていくではありませんか。
不審に思うも、「だれかが何かを燃やしてるのかな」と本当に異常事態なのか、不思議と確信が持てず、すぐに消防にかける決断ができませんでした。
私のいた自然保護区から望める山とは、アーサーズシートのことなのですが、エディンバラのシンボル的な存在で観光地でもあるので、普段人気は十分にある場所ですが、火の上がっている斜面に接する通りは、数週間前から、落石があったということで、通行止めになっていたはずなのでした。
「誰かが通ったわけでもないのに火が上がっているのだとしたら。」
「もしかして、通行止めのせいで、こちら側の斜面は人気がなくて誰も通報していなかったとしたら。」
「(かなり珍しいことに)長い事雨も降っていないから、火が上がることもあるのかも。」
など一通り、同伴者とわたわたと会話したあとに、「念の為」ということで初めてイギリスの緊急電話にかけたのでした。
どきどきしながらかけると、オペレーターがすぐにでて、まずは「救急か、消防か」聞かれました。
くも:「火が上がっているのを見つけたが、コントロール下にある状況なのかわからなかったのでかけました」
オペレーター:「わかりました。火の場所を教えて下さい。」
くも:「アーサーズシートの南に面する、自然保護区から火が上がっているのが見えます。」
オペレーター:「正確な火の上がっている住所が必要です。」
くも:「えっ、でも山の斜面なので、住所とかわからないです。私達がいるのはXXX保護区というところでそこから北を見上げているところにあるのですが・・・」
オペレーター:「では今いる住所を教えて下さい。」
くも:「自然保護区の湖沿いを歩いていて。保護区の住所は、どう、お伝えしたらいいのか。」
とこんな感じで赤裸々に書くと、使えなすぎて恥ずかしい緊急通報をしております。
横から、保護区にいて、遠くの火が見えてるだけなの。住所とかじゃなくて山の中腹が燃えてるの。と友人の援護がありましたが、3人共、だんだん電話をかける前より焦ってきて、建設的なコミュニケーションが取れません。想像していたより会話がスムーズにいかないことが焦りに変わり、ややパニック気味になっていきました。
オペレータ:「通りの名前から教えて下さい」
くも:「あっ。保護区はXXX通りに面しています」
オペレータ:「エディンバラですね。」
くも:「!!!そうです。で、火のある斜面はYYY通りに面しています。」
オペレータ:「ZZZの遊歩道ととYYYの通りの斜面ですか?」
くも:「そうです!!」
オペレータ:「他の通報もあったので、人が向かっています。通報ありがとうございました。」
と、通話終了。はーよかった、という気持ちと合わせて即座に教訓となったことが、友人との会話で交わされました。
“アーサーズシート”は、エディンバラに住んでいたら誰もが知ってる、街のど真ん中に君臨する山ではあるが、火の場所を伝えるのに、999がどこの人につながって対応してもらっているのか全く配慮していませんでした。
冷静風に、かけたほうがいいかな〜というようなトーンで話していたけど、気付かないうちに実は内心平静じゃなかったこと。
通りの名前とか、地図でサクッと見てからかけるなり、私達一人が地図を開きながらかけるとかできただろうと。
地図がイタリア語と日本語表記だと、場所や通りの名前を正しく発音できているかわかんないから、地図を英語設定にしておいたほうがいいかも。そうすれば、少なくとも綴りが言えるし。
わちゃわちゃと話しながら保護区を出て、帰り道でもある、火があった通りのそばの通りを歩いていくと、焦げた臭いと煙が薄っすらと漂っていましたが、すでに消防の人が火消しに来ているのが見えました。
大きな火事でなかったので、その後の進展のニュースなどを見つけられなかったのですが、通行止めじゃない道からのタバコの投げ入れとかかなあ、などと想像しました。
これを気に思い出したことがあったので、調べ物をしたんですが、「what3words」という、世界中を3メートルマス四方に区切って、それぞれのマスが3単語アドレスで表せ、それにより、山間部や、広い公園内の具体的な場所を特定できるというシステムがあります。
インターネットの利用が条件にはなっているものの、イギリスの緊急通報でも認識されているそうで、ブラウザからもアクセスして地図上から場所をしていると、簡単に場所の3単語の特定ができ、共有することができます。
例えば、今回私が火を見た場所は。
bricks.rich.taskと表され、日本語表示時では、「とかす。かけうどん。がはく」を、https://what3words.com/の後ろにつけて、
https://what3words.com/bricks.rich.task または https://what3words.com/とかす。かけうどん。がはく
にアクセスすると、具体的な位置を示したマップが表示されます。

せっかくのスコットランドライフ、ハイランドやスコットランドの島にバードウォッチングにたくさん行きたい、Middle of nowhereで何かあったときのために教訓になってよかったなとおもったできごとでした。
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