イギリスでピアノを買う①
こんにちは!東京オリンピックが無事に閉幕しましたね!こんな状況下で途中で中止などにならず、全試合が行われて本当に良かったです。日本勢もイギリス勢も大活躍で嬉しかった!
さて、私ふあにゃんは50歳をとうに過ぎても、大して上達しないピアノを趣味で弾き続けています。音楽大学も出ていない分際で、ついでに他人の子供に教えて商売にまでしちゃっています。それでもイギリスだからなんとかなっちゃっています。ピアノ教育業界は、教育熱心な(主にアジア系)親御さんのお陰で需要は常に供給を上回っているようです。
そんな私が現在、自分のピアノを買い替えようとしています。何故って?もうすぐボイラーのローンが終わるからですよ~ん♪ あれからもう2年、あっという間でした。お陰でボイラーと同じ金額なら買える自信がつきました。しかし、ボイラーと同額で気に入ったものが見つかるかというと、そうではない現実があります・・・。
この夏休みは、ネットでピアノ市場調査をしたり、ちょくちょくピアノ屋さんへ足を運んだりしています。イギリスには良くも悪くもいろんなピアノが溢れているので、選択肢も多く、ピアノ選びは日本よりも複雑だと思います。そこで今日は、私なりに思うイギリスでのピアノの選び方をちょっとご紹介したいと思います。全て私の独断と偏見ですのでご了承下さい。
ただし既にピアノに詳しい人は、それぞれの好みや予算が天と地ほどに違うので、私の独断と偏見はあまり参考にならないでしょう。ピアノを買いたいけれど何から手を付けていいか分からないような方や、お子さんにアップライト・ピアノ購入を考えているような方にアドバイスするつもりで書いて行こうと思います。どなたかの参考になれば幸いです。
大きさ
まずアップライト・ピアノとは、グランド・ピアノでない縦型のピアノのことです。サイズは大雑把に小型、中型、大型と分けられます。
小型は、高さが110㎝前後で鍵盤の下に柱がないものです。お子さんが初めて使うピアノには最適でしょう。中古であれば1,000ポンド以下でも良いものに出会えたりします。イギリスの普通の小学校の音楽室にあるようなタイプです。一番低い価格帯なので、お店ではビギナー用として販売されているものの、じゃあグレード5以上になったら買い替えないといけないのかというと、そういうわけではありません。上級者でも十分練習に使えます。ただ、鍵盤台の高さが低いことがあり、それも子供が小さいうちはメリットですが、身長が伸びて足が長くなると弾きづらくなりますし、試験などで普通の高さのピアノを前にしたときに違和感が出るなどのデメリットがあります。
中型は高さが120㎝前後で、大型は130㎝以上になります。よくあるアップライトの大きさです。一般的に大きくなればなるほど音がダイナミックになり、タッチもよりグランドピアノに近づき、値段も高くなります。しかしピアノの性質は、様々な部品の品質や製造工程が複雑に絡み合っているので、大きさはひとつのファクターに過ぎません。
メーカー
いろんなメーカーがありますが、これだけはハッキリ言えます。コスパが一番良いのは日本のメーカー!音の性質などの個人的な好みを排除してコスパだけで考えたら、ヤマハとカワイだけ見てればいいです。何故なら品質が安定している、良い中古がたくさん出回っている、将来要らなくなったときに売りやすいからです。
ピアノの音は個体によって全く違うし、調整具合によっても変わりますが、だいたい一般的には、日本製ピアノの音は華やか、悪く言えば金属っぽいキンキンした感じがします。鍵盤も軽めです。日本ではピアノと言えばヤマハなので、ヤマハのピアノ音に慣れていて、ヤマハの音が一番心地よく聴こえる人は、もう他のメーカーは考慮に入れなくて良いでしょう。なんてったってコスパ最高!
でも、せっかくヨーロッパに住んでるんだからヨーロッパのピアノが欲しい、ヨーロピアンのまろやかな音が好き、果てしないヨーロピアン・ピアノ探求の旅に出ている時間的余裕があるという方は、ぜひヨーロッパのピアノも考慮に入れて下さい。ただし!本当のヨーロッパ製(=ほぼドイツ製)のピアノはお値段が半端なく高いです。小型でも最低13,000ポンド以上、大型になるとグランド・ピアノ並みの価格になります。確かに音は深くて良いのですが、鍵盤のタッチが重いことが多いので、それが苦手に感じる人はいるでしょう。
ヨーロピアンな名前なのに安いピアノを見つけたら、それは中国か韓国製です。日本以外のアジアで作られたピアノはどんどん増えていて、品質も良くなっていると聞きます。が、やはり弾いてみると音が安っぽいと感じてしまいます。私の偏見なのでしょうか?ヨーロピアンを装っていようと、堂々とアジアっぽい名前で出していようと、それらは大体同じです。個人的には、アジア製の新品を買うなら、日本製の中古の方が良いです。
ややこしいのは、日本やヨーロッパのメーカーでも、中国やインドネシアの工場で作っているピアノがあるということです。それぞれの有名メーカーのデザインと品質管理なので悪くないとは思いますが、これについては、私は何とも言えません。今は良い音が出ていても30年後どうなっているか分からないからです。どこで作っているかはモデル番号で分かりますし、それなりに値段も安くなります。
ヨーロピアンな名前で、安くもないけどバカ高くもないのは、東ヨーロッパ製です。ヨーロッパのまろやかな音に拘りたいけど、ドイツ製は手が出ないという人は、ドイツ製の中古(100年物でもバカ高かったりするけど)にするか、東欧製のピアノをおススメします。私の現在使用中のピアノもチェコ製の小型ピアノです。ただし、このメーカーでも、私が買った20年前より値段が高くなっています。なのでその価格帯なら、日本製の上位レベルのピアノの方が良いようにも思います。好みによりますが。
中古か新品か
お金が有り余ってる人には関係のない話でしょうけど、これは一般庶民には切実な話です。中古のピアノを買うか、新品を買うか、どちらがいいかは人ぞれぞれの価値観によるので答えはありません。ただ、これだけは言えます。中古ピアノを買うときは注意しなければいけません!
私が中古ピアノを買うなら、個人からではなく信頼できるディーラーさんから買います。ディーラさんの中古なら、ピアノ技師さんによってきちんと調整されたピアノだからです。そして、弾いてみて新品に負けない美しい音を奏でてくれるなら、中古ピアノでも十分でしょう。同じモデルの同じ年代の中古品でも一台一台違うので、実際に弾いてみることは必ず必要です。これは新品ピアノを買う時も同様ですが、中古ならば尚更、個体差が大きいです。
ただし個人からの中古ピアノ購入もあり得ないわけではありません、例えば、信頼できる知人がピアノを売りたがっているとか、信頼できるピアノ技師さんが勧めてくれるとか。そしてそのピアノを実際に弾いて音に満足出来て、しかもディーラー価格に比べて格段に安い値段であったならば、です。なかなかないことですけれどね。
eBayなどで個人が売っているピアノは、販売価格をかなり抑えるべきだと思うのですが、実際にはディーラー価格とあまり変わらない値段で出ていることが多いように思います。個人から購入する中古ピアノは品質が保証されていないので、ディーラー価格の半値くらいでないと割に合わないと思います。さらに決して安くはない搬送料金は自己負担になります。
巷にはピアノを無料で譲りますという広告が多いですが、これも要注意です。これらは古すぎて価値が全くなくなった粗大ごみの可能性が高いです。ピアノとしての価値は無くなっても、立派な重さと大きさは保っているので、運ぶにも処分するにもお金がかかります。
中古ピアノ市場で一番人気のモデルは、ヤマハの中型U1と大型U3です。1970年代製造の物でも立派に現役です。私たちアラフィフ世代が子供の頃、女の子はほとんどピアノを習っていましたよね?そしてほとんどみんなヤマハかカワイの新品のピアノを使ってましたよね?でも、もうほとんどの人が弾いてないですよね?弾かないピアノは邪魔だから売っちゃいましたよね?それが遠い海を越えて、イギリスにたくさんやって来ています。私の一代目のピアノも今頃どこの国にいるのやら?ヤマハの中古ピアノが多く出回り過ぎているせいか、最近はヤマハ自身が自分の工場で調整してメーカー保証を付けて売っている中古ピアノもあります。
こういったヤマハの中古アップライトでも最低3,000ポンドはします。ピアノって高いですね。気軽には買えません。ましてや、これからどれだけ続けるか分からない子供のための投資としては、かなりの額です。でも、最もコスパの良いピアノとして、これを基準に考えると選びやすいかと思います。例えばこれと同額の新品ピアノは性能がそれだけ劣るということだし、これより安くても小型の中古なら良いピアノかもしれない。小型でもこれより高い値段なら性能もそれなりに良いかもしれない、等など。
長くなったので、今日はこの辺にしておきます。続きでは、大雑把な各メーカーの特徴や、ロンドンで見に行けるお店の紹介などしたいと思います。
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