この世のものとは思えないほど美しいリヤド Palais Sebban Marrakech 後編

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みなさまこんにちは。

早速マラケシュ旅行記の後編に入りたいと思います。前編はこちら➡

さりげなく置いてあるものが、歴史を感じさせつつも溶け込んで存在している。

他にも歴史のあるリヤドはあるでしょうし、モロッコらしい美しいデザインといえるリヤドはゴロゴロあると思います。

SNSやウエブサイトの写真は、目を惹く素晴らしいものばかり。

ただ、ビジネスとしての価値を高めるためのデザインやデコレーションではないものを感じた、というのが正しい表現になるでしょうか。

歴史ある建築美術と共生している植物たち。その隣にさりげなく置かれているアート。主張するのではなく、ただそこに存在している尊さ。

庭というのは、俄作りのものとそうでないものとには歴然とした差があります。

鉢を置いて終わりではなく、生長を見守り植物の意思を尊重しながら建物や土地と共存させていく。

リヤドのスタッフのみなさんは、ビジネスを超えてこのPalais Sebbanを守っていく守り人のような、そんな風に見えました。

実際にふわりの記事に書いていいかどうか尋ねると、ぜひあの大切な本を持って帰って読んでほしいとおっしゃられました。

このリヤドを理解してくれるのならそれに越したことはない、ぜひ読んで記事を書いてほしいと。

世の中にPalais Sebbanについて知ってくれる人たちが増えることがとても嬉しいと。

現在オンラインで読んでいただける学術的資料を用意できないのが残念です。

フランス語で文献が読める方はぜひ訪ねてみて下さい。ふわりでPalais Sebbanの記事を読んだと告げて頂けると快く読ませていただけると思います。

さてさて、母娘珍道中に戻りますね。

実は旅行した時期が時期なだけに、ティーンの観光客が少なかったんですよね。

観光ツアーを申し込むにも中高年の大人ばかりになるのが予想できたので、娘にはどうかなと思っていました。

しかし、正味三日しかないわけですから観光名所には行っておきたい。

「ねぇ、イブサンローランの庭園とかパレスとか行ってみない?有名なコーヒーショップあるみたいよ。たくさん種類もあるんだって」

えぇ~観光なし?

なんと。この母にしてこの娘あり。まぁ、現地スーパーマーケットは旅行の楽しみでもあるので、娘が出かける気でいるうちにと思い

リヤドを出て大通りを歩きだしました。

通りがかりのヨーロピアンが「バンコクより酷いな!」と笑っているのを横目にしつつ

10分ほど歩くとカルフールに到着。お酒売り場は地下にありました。別な入り口が用意され、会計も済ませてから出るようになっています。

ビールや水、ワインと娘が手に取ったお菓子やら軽食を買い込みタクシーで戻りました。50DHと言われたので40DHと言うとすぐにOK。

おそらく10DHが相場ではないかと思われますが、面倒だったのですぐ乗りました。

お部屋の冷蔵庫に詰め込んでから近くのレストランへでかけました。タジンが食べたい!という娘のリクエストです。

この日以外は全て広場で済ませました。最終日、娘は若干胃腸の調子を悪くしましたが私は全く問題なく……

戻ってからは屋上へ行き夜景を眺めておりました。背の高い椰子の木がなんともモロッコらしく…

そして聞こえるコーランも心地よく…

各部屋は密閉されるようなドアではないはずですが、ぐっすりと熟睡でき

毎朝朝食を逃すのでは?というくらい寝坊していました。

リヤドが喧騒から隔離されており、植物たちの息遣いのような香りも睡眠薬になっていたのかもしれません。

翌日は、娘に砂漠で落日を見せたいという私の希望で

リヤドの方にプライベートでサファリツアーをアレンジしてもらっていました。

どこでも目にしたラクダとクォッドバイクツアーですが、大勢の知らない大人たちと相乗りして全員が終わるまで5時間以上かけるより

サクッと二人で行って帰ってくる方が時間を無駄にしないだろうと思ったのです。

リヤドで用意してくれたのはメルセデスの8人乗りバンでした。ドライバーも若く清潔な男性で良かったです。

砂漠?に着いてみるとクォッドバイクが以外に小さい。それでラクダに乗って丘陵をのんびりとあがってもらうことにしました。

なんと、コスプレ付き。

英語の話せないベルベル族の男の子が引っ張ってくれたのですが、また娘が英語で文句ばかり言っています。

That rope is too tight for my camel! 「……」 They need more food! When did you feed them!「……」

男の子は大丈夫と言うようなことを言って困っていますが、娘はお構いなしに文句を言い続けています。

私はそのやりとりを聞いて笑い通しでした。

砂漠?はカイロのピラミッド付近に比べると砂よりは礫に近いようでしたが

これも観光資源なのでしょう。

最終日は朝食後娘の買い物に付き合わされ、スークでお土産選びとドレス選び。

度々声はかけられましたが、娘の毅然とした態度のおかげでみんなすごすごと諦めていました。

(娘よ、もうちょっと可愛らしく話さないと同年代の男に敬遠されるぞ)

午後はルーフトップテラスでのんびり過ごしました。赤道に近いせいかすぐに日に焼けちゃいました。

ハマムで肌をきれいにしたせいもあったかもしれません。水着の後がくっきりつくほどでした。

そしてまたサンセット。翌朝出発なのが信じられないくらい、このリヤドが好きになってました。

また、美しすぎる中庭やルーフトップを眺めているうちに意識が遠のいているのか(笑)それとも年齢のせいなのか、時間が経つのが速いのです。

ナショナルギャラリーでレンブラントをみているときも、こんな時間の経ち方ではなかったのですけれど…。

出発の朝、三時間前には空港へ行かなければいけないという都市伝説?に逆らって二時間半と決め

空港までの送迎車を手配してもらいました。それでも通常の朝食時間の前になってしまいました。

まだ暗い中庭を通ってキッチンへ行くと簡単な朝食を用意してくれており

ウェルカムティーを頂いたソファで温かいコーヒーとデイツやペストリーを頂いていると

お迎えのドライバーが来てくれました。名残惜しい、と久しぶりに思いましたねぇ。

寛げるバーで頂いた凍ったジョッキの美味しい生ビール、胃腸の調子が悪いと言い出した娘に用意して下さったフルーツプレート。

ホリディそのものを楽しめたのは久しぶりでした。

何しろ今までのホリディは過酷で修行のようだったので(笑)

送迎はまた昨日と同じドライバーさんとメルセデスのバンでした。

娘も打ち解けて話をしていて空港までは非常にスムーズ、朝焼けを眺めながらの到着でした。

Wizz airカウンターでもすぐに発券が済み、あの三時間説はなんだったんだろうと、

セキュリティ通過後何もすることが無かったのでかなり読書が進みました。

混み合う時間帯があるのでしょうか…謎です。

ところが、全てにおいて何も問題なく進み、ゲートから徒歩で乗りこむために乗客全員が列を作って並んでいた時でした。

搭乗機を前にして突然の待機が始まっていました。スタッフからの説明もなく空港建物に沿って並んだ私たちは立ち尽くすばかり。

その間にeasyJetは5便飛び立ち、一時間ほど待たされてようやく乗り込んだ私たちの機の後ろに、ぴったりとまたeasyJetが一機。

この稼働率の差はなんなんでしょうか……マラケシュではeasyJetが一人勝ちのようですね。

見ていると、どうやら車いすを載せるはずのリフトが到着しなかったせいで一般乗客が乗り込めなかったようなのですが、

同じ条件でもスイスイと飛び立っていったeasyJet……この差は?

さてさて、

マラケシュ市街が臭い、男性が威張っている、と逐一文句を言っていた娘と4泊のあいだ問題なく過ごせたのも

居心地のいい、私たちの目を離さないくらい美しいリヤドのお陰だったように思います。女子旅におススメです。

今日も長々と車屋の女房にお付き合い下さってありがとうございました!

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About the Author: Eva

子年生まれ。ブラックラブラドールオーナー歴2年。イギリスで全く想定外の車屋の女房になる。

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