コロナロックダウン孤独
イギリスロックダウン10周目。6月から一部で学校が再開する予定ですが、条件が厳しく、親御さんたちは困惑しています。30人いるクラスを15人限定にしたり、5−6歳の子にコロナウィルスというものが何かを理解させ、ソーシャルディスタンスを守らせたりと、ノーマルな生活には程遠い環境を小さい子に分からせるのは本当に大変だと思います。だから、子供を9月の新学期までは学校に登校させないという親が多く見られます。
今回のブログでは、ソーシャルライフがなくなった子供達、大人たちが、これからどうなるのだろうと、先週見た映画とドラマを紹介しながら、コロナ後のニューノーマルの世界を考えてみました。後半には1週間の気になるニュースの紹介もあるので、ぜひ最後までご覧ください。
The Call of The Wild (映画)
2020年の、家族向けの作品で、犬から見た人間の世界観と、犬の世界観を同時に描いた、良い作品となっています。最近の動物映画でよくある、CGを使って動物の動きをリアルに表現できています。ただし、動物がしゃべることなく、とても自然に見えます。最近の映画は動物がしゃべりだして、それに口の動きもCGでうまく表現できてとても不自然なのが多い中、これの映画はナレーションによって犬の気持ちを表していて、違和感全くありませんでした。
この映画で人間と犬が共通して直面していることは孤独に立ち向かい自分の世界を探していくというところだと思います。まさしく、今のコロナ禍で、人との交流がなくなる中、孤独と立ち向かっている私たちと共感するものがありました。話の内容は、登場人物の人間は孤独を好み、犬は仲間、家族を大事にするといった正反対同士が一緒になってわかり合うといういいお話です。
ちょっとネタバレですが、最終的には犬が自分の世界を見つけ、仲間と一緒に暮らしていき、人間は結局最後まで孤独のままでした。どちらがハッピーエンドと決めつけるのは難しい内容でしたが、犬の仲間たちと一緒に生きていきたいという本能が、我々が今、コロナ禍で思っている人間の気持ちに似ている気がしました。
After Life (ドラマ)
2019年の3月にネットフリックスでシーズン1が始まりました。大人向けのドラマです。イギリス人Ricky Gervais(コメディアン、俳優)が制作を手掛けていて、自ら演技をしています。設定は癌で奥さんを亡くして生きる気力のなくなった主人公が、人を助けることを通して、何のために自分は生きているのかを気づき始めるという話です。
ジャンルはダークコメディとあり、彼の得意な皮肉なコメントが、登場するさまざまな人々の悩みを解決していく中で、うまく混じり合って、面白悲しく、そして最後はとても和む感じで終わっています。
ここで出てくるほぼ全ての人物が孤独と戦っています。そして何かしらの人の助けを求めて、解決へと向かいます。主人公は、妻を病気で失って、自分のことで精一杯だったのですが、いつのまにか周りの人間を助けるようになり、感謝されるようになります。
ソーシャルライフの必要性
以上の2つの作品を見て、人間というものは誰かと共に生きていくこそ、生きることに価値を見つけ、人生を築き上げるのだと思いました。一生誰とも会わない人はいません。生まれれば必ず誰かと共同生活を始めます。その時点でソーシャルライフが始まっているのです。そしてソーシャルライフを維持するには、優しさがないと、すぐに孤立してしまいます。優しさがあることによって協力し合い、生きているのだと思いました。
まとめ
コロナロックダウンで今は人との濃厚接触が避けられています。この結果、ソーシャルライフを欲しがる人たちが心の病を患ってきています。家の中で、人間関係が悪化したり、奇声をあげたりと、イライラ度が増してきています。いつかはロックダウンも解除され、また通常のソーシャルライフが戻ってくると思われますが、しばらくは第2波を恐れて、以前のようには戻らないでしょう。
我々はそんなニィーノーマルの世界で、ソーシャルライフの大切さを改めて理解して、どうウィルスとバランスをとりながら対応していくべきか、考えていかないと、紹介した映画やドラマの中で孤独を感じる登場人物と同じような結末を迎えることになりかねません。
ウィルスと共に生きるためにソーシャルディスタンスを保ちながら、できる限り人との交流は続け、助け合う気持ちを忘れずに生きていくことが、ウィルスを撲滅させることよりも、人間の心が撲滅させないよう、もっとも重要なことなのかなと思いました。
気になる1週間のニュース
ここからは、1週間のコロナ関連の世界のニュースを紹介していきたいと思います。
ワクチン開発が進む イギリス アメリカ
英製薬大手アストラゼネカは、英オックスフォード大と開発した新型コロナウイルスのワクチンを9月から供給すると発表しました。 アストラゼネカは2020~21年にかけて、10億回分のワクチン生産可能で、効果が確認できれば、複数国で試験を実施するとしています。
各国でワクチンの開発が進んでいます。米バイオ企業のモデルナは初期の臨床試験(治験)で抗体が確認できたとして、7月から大規模な治験を始めます。ただし、抗体が確認できたからといって、ほぼ成功というわけではありません。大規模な治験を行って失敗してきた例は何度もあります。そして、SARSやAIDSはいまだにワクチンは開発されていません。しかも、新薬を一度も開発したことない会社が現在コロナウィルスワクチンを開発中というのも多くあります。期待は膨らむのですが、過剰な期待も気をつけた方が良さそうです。
航空便の減少 全世界
航空便の減少は皆さん身近に感じるニュースだと思いますが、英航空情報会社OAGによると、世界全体の航空便の数は昨年の同時期に比べ68%少ない水準だったそうです。米国と日本発の便は過去最低で、5月第2週には経済を再開した中国発の便数が初めて米国発を抜いたそうです。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が全従業員の25%にあたる最大1万2千人の削減をめざします。グループで今後3年間に調達する機体数もほぼ半分に減らすそうです。
シェークスピアのグローブ座、新型コロナで存続の危機 イギリス
コロナの経済的打撃はエンターテイメント業界には非常に厳しいものとなっています。1600年台のロンドン大火事を経験したことのある歴史のあるシアター、シェークスピアグローブもコロナの被害を受けています。人が集まるシアターはコロナの最初のターゲットとなってしまいました。ロンドンにはそのほかにも数々の劇場があるので心配です。
緊急事態宣言解除 日本
東京都内で23日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2人確認されたことで、2日連続で3人以下となった。1日あたりの感染者が50人以下になるのは18日連続。これを受けて、日本政府は全国での緊急事態宣言解除を決定しました。ただし、コロナ第2波を恐れるために、解除の反対意見も多く出ているそうです。
タクシー運転手、つばを吐かれてコロナで死亡 イギリス
イギリスでタクシーの乗客で、コロナ感染者が、運転手につばを吐き、その後運転手がコロナで死亡するということが起きています。新型コロナの流行以来、イギリスでは「自分はコロナだ」と主張したうえで警察官らにつばやせきを浴びせる事件が週に200件ほど起きているそうです。加害者が軽症で被害者が重症又は死亡となったら、悔やんでも悔やみ切れないですね。
ロックダウン解除後にウィルス感染拡大 アメリカ
感染抑制のために導入した行動制限を一部緩和する動きが全50州に行き渡ったアメリカですが、5割弱にあたる24州で制限緩和後に感染が拡大しているそうです。既に第二波の懸念が浮上です。今後のアメリカ経済にどう影響するかも心配です。
南米でウィルス拡大
南米でのコロナウィルス感染拡大が深刻になっています。欧米の感染拡大が収まってきていますが、世界での死者数が再び増加傾向にあります。新興国は格差が大きく、外出制限などをかけても、仕事に行かざるを得ない国民が多く、加えて、貧弱な医療体制も悪化の原因となっています。
最後に
イギリス国内は美術館も博物館も劇場も国立公園も閉まっていて、刺激になるものといえば、スクリーンから見る世界しかありません。そして、それは実際に訪れて目にするものから比べれば、クオリティーが落ち、印象も違くなってきます。この生活があと3ヶ月ぐらいは続くのかなあと思うと、家でできることを充実させなければいけません。特に子供の3ヶ月は、大人の3ヶ月に比べると、長く、何もしないと失うものも大きいと思います。真剣に家で何ができるかを考えていかなければいけないと思います。
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