

この世のものとは思えないほど美しいリヤド Palais Sebban Marrakech
みなさまこんにちは。車屋の女房です。
今回はMystery Holidayの罠 その1 その2 に引き続いてマラケシュ旅行記になります。
長くなりますので即始めさせていただきますね。
マラケシュでは希少なツインルームを探す旅
が出発4日前から始まったわけですが、難航しました。マラケシュの天気をチェックするとその週は最高気温が39度。私たちの滞在する週は30度前半まで下がるものの十分に暑い。それなのに朝晩は20度以下まで下がる…条件として
●四泊するが、初日は到着が夕方。最終日は朝出発。正味三日間しかない。となると旧市街近くが便利。
●車屋の女房はビアホリックなのにアルコールは限定されたレストランや店でしか販売していない。(真剣です)
●この時点で空室のあるリヤドに客室用冷蔵庫がついていない。
●色んなビールを飲んでみたいのでカルフール(フランスのスーパーマーケット)に近い方が良い。(これもかなり真剣です)
●日射病になるとは思えないが(ならないように努力はするが)涼むプールはあってほしい。
マラケシュはロンドンから4時間弱。フライトも安く為替もポンドが強いので、お手軽な旅行地として中高年、特に女性に人気があります。
そのせいか、上記の条件でツインベッドの空室は数軒のみ。その数軒もカルフールへ気軽に行ける立地ではなく、娘と二人だけなのにアパートメントかヴィラ、一軒家を選ぶしか道が無さそうでした。
そして、最近の車屋の女房は決断力が鈍っておりまして即決が出来ない。booking.comで候補を並べて起きながらも
ぽちっと出来ずに二日間が過ぎていきました。
人気があってイージーなだけに、マラケシュは即決できるホリディ先でもあるわけで…
候補に選んだ空室が消えていくのを見守りながら「最後に残ったとこでも良いかな~」とぐうたらに構えていた所
二日前になって、突然mapに現れた空室表示。(おそらくキャンセル期限によって誰かがリリースしたのだと思われます)
もちろん私が選んだ候補の中には入っていなかったので、お気に入り登録した後調べてみると
上記の条件をすべて満たしているうえにレビューも良く、写真も素晴らしい。
お部屋はスタンダードダブル/ツインになっていて、レビューや質問をチェックすると事前にツインのリクエストがあれば対応可能とのこと。
待っていた(即決せずダラダラしていた)かいがありました……
booking.comの予約フォームでツインベッドのリクエストはしたものの、一応メールでもお願いをしたら翌日お返事をくれました。
そして、旧市街のリヤドは迷いやすいということでbooking.comで送迎も予約しておきました。
さて往路のWizz air。代理店経由も初めて。警戒していたのですが、
その1と2で登場した宿泊担当のエージェントに比べるとフライト担当の方たちは非常に親切で、オンラインチェックインが完了するまでじーっと待っていてくれたり(電話で)Appでボーディングパスが表示されないと、メールで送ってくれたりと違う会社なんじゃないかと思うくらい面倒見が良かったです、笑。
マラケシュ空港では紙のボーディングパスを持っていないと乗せてもらえないようで、エージェントもその点を強調していましたが、代理店経由の場合には自動的にエアポートチェックインが表示され、ウエブサイトでオンラインチェックインをしてもボーディングパスは表示されず、空港カウンターでパスポートをチェックした後に引き渡されるようでした。(エージェントは知らなかったようです)
さてさて、Palais Sebban。
到着前の印象はウェブサイトとbooking.comの写真、そしてExpediaやTripadviserのレビューでした。
空室表示が出なければチェックする理由もないわけで、こんなリヤドがあると知らないままマラケシュ旅行を終えていたと思います。
条件は満たしていたものの、ポチっとする気が起きなかったリヤドに比べ
Palais Sebbanは「空いてる?ホントに?」と聞き返したくなるくらいでした。
一時間遅れで出発したWizz air、ほぼ落日に近い時刻にマラケシュ空港に到着します。
パスポートコントロールを出た先に荷物のスキャンがあり、到着ロビーへ出るとその先にドライバーが待っていてくれました。
新しめのSUV車で市内へと向かって走り出すと、ちょうど落日でした。

このオレンジ。サンセットなのにまだ灼熱を感じさせるような色。
18年ぶり三回目のアフリカ大陸、しかも娘と一緒なんだな~と感慨深くなりました。
マラケシュ市内に入り、車が入れないからと路地の手前で降ろされ、「このアーチを右、次を左、道なりに進んで左」と地図を見せられ
レンガ色の壁沿いに歩き出しました。
確かに迷路のよう。リヤドの玄関にはスタッフが立っていて、私たちを見つけるとレセプションまで案内してくれました。
これまた迷路のような暗い廊下を進んでいくとレセプションに到達(写真は分かり易いように日中のものです)

レセプションのスタッフがウェルカムティーをどうぞと案内してくれたのがこの中庭でした。

写真では捉えきれない色と輝き、芸術的建築と同化した歴史を持つ庭の放つ香りがそこにありました。
美しい庭のあるリヤドは数えきれないほどあると思うのです。写真をみれば確かに美しいですし完成美でもある。
ただ、建物と共に生きてこの完成された姿となり、芸術の一部として存在し続けている庭というのは少ないのではないでしょうか。

ギャラリー

LES CHEMINS DE LA CREATION
The Genealogy of Artistic Origins
Sebban家の本”芸術の源泉とその系譜”
レセプションから続くギャラリーにはSebban家について書かれた本もあり、建築の歴史や建築美術の詳しい記述がされています。(読ませてもらう事もできます))
本からの抜粋
マラケシュの建築の宝石であるセバン宮殿は、かつての所有者カイド・セバンにちなんで名付けられました。マラケシュのメディナの西に位置し、都市で最も古い住宅のいくつかがある高級地区クスール(宮殿を意味する)にあります。セバン宮殿には、マラケシュで最も著名な家族、Chorfa Messaoudiyne、Ouriki、Ouarzazi、M’touggiなどが住んでいます。リアドの中心部は19世紀後半に建てられ、世代を超えて家族によって維持されてきました。4年間の改修と修復を経て、2006年以降、部屋はモロッコ・アンダルシア建築の宝石となっています。これには、ヒスパノ・ムーア風のゼリージェ、彫刻された大理石、漆喰、ベルベル人の彫刻木、グラウィ時代のオリジナル天井、大理石の噴水などが含まれ、『千夜一夜物語の宮殿』のすべてが、あなたを東洋文化に浸らせてくれるでしょう。
いかがでしょうか。
かの有名な、高いところから注ぐミントティーとスイーツを頂いた後お部屋に案内してもらいます。
私たちの部屋は東棟(と呼んでおきます)の二階で(1st floor)椰子の木が空まで突き抜けて生えているような回廊に面していました。
ベッドルームはグラスドアで、カーテンで回廊からの視線を遮ることになります。
私たちの部屋はベッドの正面がグラスドアでした。カーテンを開けるとこの眺めが飛び込んできます。

(各お部屋の写真はリヤドのウェブサイトをご覧くださいね~。ちなみにツインベッドにアレンジ可能なお部屋は12部屋。スイートのErfoudとプライベートテラス付きのスイート Volubilisの二部屋にバスタブがあります)
この椰子の木はルーフトップテラスから顔を出してプールサイドにビーチっぽいムードを醸し出していました。

翌朝、目覚めるともう10時近く。時差はないのにぐっすり眠りすぎました。
朝食の時間を過ぎてしまったかと慌てて下に降りると、あの素晴らしい世界が待っていました。



(朝は曇りがちで写真を撮るには光線がイマイチでした。ご容赦ください)
毎朝、鳥たちのさえずりを聞きながら食事をとる事が何にも代え難い時間に思えました。
ホリディの度にすごい労力をかけて選んだホテルにでさえ辛辣な批評をする娘が
リヤド全体がモロッコそのもので、モロッコ文化を味わえた。自分たちが旅行者であることを忘れるような空間とおもてなしだった。
と旅行記事のような事を申しております。(まぁ、モロッコそのものというよりはモロッコ上流社会ではあると思うのですが……)
朝食では、モロッコのクレープを焼いてくれます。ほんのり甘くて美味しかったです。buffet Menusも日替わりで色々と楽しめました。
コーヒーも熱いまま頂けました。朝は涼しかったので熱いコーヒーが嬉しかったですね。

フレッシュフルーツジュースもあり、私はキウィがお気に入りでした。美味しかったです。
SNSでRiad Palais Sebban Marrakechを検索すると美しい写真ばかり。
この中庭にいると長居してしまうので、みなさん沢山食べていらしたような気がします。
それに誰も散らかさず、お掃除も徹底しているので小鳥さんたちの訪問も少なく…
素敵なさえずりだけで、なかなかその姿を拝めませんでした。

朝食後、旧市街へ散策へ出かけました。迷路のようなスーク。
両替も必要でしたし、郵便局のATMにたどり着くまでは!と頑張りました。お昼にかけてはまだそれほど暑くはなかったです。
リヤドへ戻ると、またあの中庭がお出迎え。スークや広場とは別次元の世界のようです。
午後はspaでDetoxコースを予約してありました。
カップルで利用できるサイズのハマムにマッサージベッドが一台あります。

娘と一緒にハマム体験です。
最初はぬるい空気からスタートしましたが、時間がたつにつれて段々熱さが増してきます。
ベッド部分と壁が熱されてくると蒸気も増えてきたような気がしました。
汗をかいてきたところで黒いオリーブの石鹸を体に塗られます。その後、封を切った新しいグローブで垢すりの始まりです。
英語があまり得意ではないセラピストの女性に、英語でガンガン話しかける娘。
My body is disgusting! 「……」Woo~ so terrible!「……」Oh,Oh,how that’s happen! 「……」
だ~か~ら~、返答に困ってるでしょ!
常に優しい微笑みを絶やさず、懸命に垢すりしてくれたセラピストさん。韓国の垢すりよりもマイルドで、荒々しさはありませんでしたが
しっかり垢がとれていました。シャワーできれいにしてもらった後クレイパックを塗ってもらいます。
顔にも塗ってもらい、ベッドに寝て熱気を感じつつリラックス。最後にはシャンプーまでしてもらいました。
ハマム後のマッサージは期待以上に上手でした。
強くしてくれという私のリクエストに完ぺきに応えてくれ、マッサージ自体もメソッドに沿ったしっかりしたものでした。
リヤドのゲストのためだけに作られたためこじんまりとはしていますが、十分に満足出来る内容です。
Palais Sebbanにはプールが三つあります。中庭のプール、そして東と西に分かれたルーフトップにそれぞれ一つずつ。

私たちの部屋からは階段を上ったすぐ上に心地よい空間が広がっていました。
メイン棟のルーフトップにはバーが併設され、そこから更に一階分上ると広い屋上があります。
そこから眺めるサンセットとモスク。コーランの響きと共に美しいマラケシュを堪能できます。

後編に続きます…
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