ジゴロッキーの統計美学(飛行機は安全)
今年も恒例の夏休みシーズンが始まり、イギリス各地で帰省ラッシュとなっている。国内の帰省は車で高速道路を利用、または飛行機で1時間半から2時間で南北を移動する。移民の多いイギリスではヨーロッパ大陸、アフリカ、中東へと帰省する人も多くみられる。
ヨーロッパ大陸の横断は飛行機で3-4時間程度。ロンドンからの車の移動の場合は、休憩なしで、パリ6時間、ワルシャワ17時間、ローマ20時間、アテネ30時間程度で到着。ちなみに札幌―福岡間の移動は車で28時間かかる。これだけの長距離を運転するのは疲労との戦いとなり、自動運転システムの導入が待ち遠しい昨今である。
そして、アジア組はさすがに車とはいかない。飛行機を利用した家族移動が主流でそれ以外で帰省した話は聞いたことがない。そして家族を連れて飛行機に乗る親の心境は、まっさきに思い浮かべるのが飛行機事故。飛行機事故は起きるたびにメディアで大々的に取り上げられ、視聴者の心理に残酷な印象を植え付ける。
しかし、統計を見ると飛行機はどれだけ安全な乗り物がわかる。昨年、世界中で飛行機が飛んだ回数は3680万回。1日におよそ10万回飛んだことになる。そしてジャンボジェット旅客機による事故は0で、もっとも安全な乗り物となった。
商業用を加えると事故は起きたが、亡くなった方の人数は過去10年でもっとも少ない年となった。
商業用も加えた統計
年次 | 飛行回数(年) | 事故回数 | 死亡者数 | 飛行回数(日) | 事故の確率%(日) | 年数(この年数毎日乗って1度事故に遭うかもしれない) |
2007 | 26,700,000 | 29 | 771 | 73,151 | 0.000109 | 2,522 |
2008 | 26,500,000 | 26 | 552 | 72,603 | 0.000098 | 2,792 |
2009 | 25,900,000 | 23 | 725 | 70,959 | 0.000089 | 3,085 |
2010 | 27,800,000 | 27 | 831 | 76,164 | 0.000097 | 2,821 |
2011 | 30,100,000 | 32 | 511 | 82,466 | 0.000106 | 2,577 |
2012 | 31,200,000 | 18 | 418 | 85,479 | 0.000058 | 4,749 |
2013 | 32,000,000 | 23 | 256 | 87,671 | 0.000072 | 3,812 |
2014 | 33,000,000 | 18 | 961 | 90,411 | 0.000055 | 5,023 |
2015 | 34,000,000 | 10 | 537 | 93,151 | 0.000029 | 9,315 |
2016 | 35,400,000 | 16 | 303 | 96,986 | 0.000045 | 6,062 |
2017 | 36,800,000 | 10 | 44 | 100,822 | 0.000027 | 10,082 |
表の一番右を見ていただくとわかるように1万年間、毎日1回飛行機に乗って1度事故に遭うか遭わないかと非常に低い確率となり、飛行機がどれだけ安全な乗り物かということが証明できる。
その他の乗り物を比べると、先進国、発展途上国などで差はあるが、日本を例に取り上げると、
新幹線のシステムや仕組みで起こった事故での死亡者0。
自動車、免許取得者8000万人として、全員が1日1回運転すると129年に1度事故に遭うことになる。事故の内容は飛行機墜落事故と違い、軽傷のものも含むが、事故に遭遇する回数としては自動車のほうが遥かに多い。ちなみに年間160人に1人が1度交通事故を起こし、2万人に1人が交通事故で相手を死亡させてしまう。
このように、飛行機というものはどれだけ安全かを認識しながら搭乗すれば、家族を連れての移動でも、心配せずに安心して機内を楽しむことができるのではないだろうか。
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