

Remembrance Day 戦没者追悼記念日
11月も中盤に差し掛かり今年もとうとう大きな行事はクリスマスを残すのみとなりました。
毎年イギリスでは冬時間に切り替わる頃から街ゆく人やテレビに映る人たちの胸元や襟元に赤い花を見かける様になります。
このポピーと呼ばれる赤い花。日本語ではヒナゲシと呼ばれるケシ科の花です。
イギリスの11月11日は「Remembrance Day 戦没者追悼記念日」に定められており、戦争で亡くなった兵士や市民の死を悼む日となっています。
Remembrance Dayと赤い花ポピー
時は1918年11月11日。午前11時に第一次世界大戦の休戦協定が発効され戦闘は終結しました。
このことからイギリス国王ジョージ5世がこの日をRemembrance Dayの記念日としその後も戦没者への追悼行事がイギリスと連邦諸国で執り行われる事となりました。(ちなみにジョージ5世は現在のチャールズ国王のひぃーじーちゃん)
悲しい事に第一次世界大戦後もイギリスは第二次世界大戦、フォークランド紛争など現在に至るまで戦いが止む事はありません。現代のRemembrance Dayはこれまでの戦に従事した全ての戦没者への追悼の意を表すものとなっております。
で、なぜにポピーなのか?
イギリスおよびヨーロッパ諸国において赤い花ポピーは戦没者追悼の象徴となっています。
これは第一次世界大戦後、赤いポピーが咲き誇り戦闘となった地を埋め尽くした事が由来となっております。
イギリスの子供たちはRemembrance Dayが近づくとこの詩を学び自分なりの思いを文字に綴ります。
Remembrance Sundayに参加して…
さて、先日のふわりいぎりす家系図の記事
に刺激され我が家も家族、親戚とご先祖様を深掘りしてみました。
夫の家系には軍関係者が多い。
そして夫自身も過去にはイギリス海軍に所属していました。(腰痛にて泣く泣く除隊。。。)
くりのしんの祖父も太平洋戦争に司令官として参戦しています。
そして我が家の子供達。半ば強制的に入隊させられたSea Cadet(Royal Navyの青年部)の一員として式典に参加しました。
※cadetとは…カデットとは日本語に直訳すると「士官候補生、訓練生」という訳になりますが、イギリスでは各軍および警察、消防などの組織に所属する未成年者たちの青年部の事。
Remembrance Dayは11月11日ですが慰霊祭は毎年11月の第2日曜日にイギリス全域で行われ「Remembrance Sunday」と呼ばれます。


子供達の会場はNaval memorial (海軍記念広場)
慰霊祭には市長、地域のVIP、Veterans(旧軍人)、遺族などが招待されSea Cadets、Marin Cadets と共にChaplain (※チャプレンとは教会には所属せず軍、病院、学校などの組織で職務を行う聖職者)によってキリスト教方式で行われます。
もちろん我々のような一般市民も参加できます。

参列者による黙祷、メッセージと追悼の辞、聖書朗読に続きイギリス国家斉唱後、poppy wreathの献花によって約1時間の慰霊祭は終了です。
その後Remembrance SundayとRemembrance dayの午前11時には全国一斉に2分間の黙祷をし戦没者を追悼します。


ティーンエイジャーが青春を捧げている現実
Military paradeと呼ばれる記念式典。
下は9歳から18歳の子達にとって同じ姿勢(日本で言う休め!の姿勢)で約1時間〜2時間立っていることはなかなかの苦行です。

軍の世界では気分が悪くなった際にはKnee downと言って片膝をついてしゃがむ事が許されています。
が、毎回、毎年、倒れてしまう子がちらほら…
どうしても無理な時は隅っこに移動し衛生兵と管理官による応急処置を受けます。
その後、力を振り絞って隊に戻り立ち続けようと頑張る子供達。
親としては「もういいよ…十分頑張った…おうち帰ろう!」言ってあげたい。
胸が締め付けられる思いです。

Cadetでは週2回の会合で整列、行進、集団行動からファーストエイド、料理まで、式典の為に軍の一員として必死で練習します。
もちろん軍隊ですから指導も厳しく大きな声で命令されたりバリバリの昭和スタイル。
時にはVIPの前で練習の成果を発表する事もあります。ただならぬ緊張感。

何かと悪い印象を持たれがちな思春期真っ只中の子供達ですが、こうやって全員一丸となって同じ目標に向かい必死に頑張っている、青春を捧げている子供達もいる事に大人の私達も感動させられます。
日本人としてこの国に思いを寄せる
Remembrance Sundayでは日本人であるくりのしんもイギリス国家を斉唱しました。
外国人としてこの国の歴史、文化、伝統、人々への尊敬と敬意。
同時に敗戦後歯を喰い縛り日本を世界有数の大国に築き上げた我が国の先人たちの並々ならぬ努力、熱意、苦労も決して忘れず感謝の意を歌に込めます。
そして現在。
色んな縁や巡り合わせでイギリスに引き寄せらた私たち日本人。
ここで出会った人達。一期一会。
Remembrance Dayにそっとみんなの心を照らしてくれた存在にも「ありがとう」と…
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