イギリス式お誕生会

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

夫婦間の雰囲気が険悪になる原因は星の数ほどあるかと思われますが、「幼い我が子のお誕生会開催」もそのうちの一つであると断言したい今日この頃。

なぜ我が子の成長を素直に喜ぶだけでは事が収まらないのか、今回はイギリスでよくあるタイプのお誕生会(小学校低学年あたりまでのスタイル)開催までの道のりを巡り、夫婦間の溝の原因を検証したいと思います。

1、人数決め

「我が子が、Aちゃんを絶対招待したいらしいし」、「以前誘ってもらったから、あの子は絶対に招待しないと」、「そういえば兄弟で仲良くしてもらっているから、お兄ちゃんも呼びたいな」、「子供が幼稚園や小学校に上がったばかりで、少しでもクラスメイトやご父兄と仲良くなっておきたいし」、「自分の娘や息子も、お友達のパーティーやプレイデートで楽しく学校生活してほしい」、など、親としてはどうしても親切心の仮面を被った野心がむき出しになり、招待したい子供の数がどんどん膨れ上がります。

我が家はうっかり、子供最大45名、そしてそれに付き添いの大人合わせて100名弱のパーティーをしてしまい、私のイベント準備&達成能力が及ばず、来てくださった方々に多大なるご迷惑をおかけしてしまったことがあります。

2、会場決め

大体の招待客数が決まると、希望の日程をピックアップし、それに見合う会場を探します。

人数や家の大きさにより、自宅開催ができるラッキーなお宅もありますが、教会や公民館等を使うケースも多いです。 また、スポーツセンターやプール、映画館、ミュージカル、ピザ屋さんなど様々です。

幼稚園や小学校低学年くらいまではパーティーが大規模(クラスメイトに馴染みがなく、「誰を呼んだら良いか判らないから、クラス全員に声をかける」などが原因)になることも多く、その子供たちが走り回ったり、大声を出しても許される環境を用意する必要があります。

3、エンターテイナーの有無

教会のホール、公民館、スポーツセンターなどを借りた場合のパーティー開催時間は、2時間前後が主流です。

昭和生まれの私の感覚では、「とりあえず水分とおやつを用意しておくから、後は適当に外に行って、かくれんぼとかドロケー(我が出身地ではケイドロという呼び方でした)でもして遊んどいて〜」となりますが、大人の付き添い無しでは外へ一歩も出られない現代のロンドンっ子に、そのような要求は難しい昨今。

もちろん、主役の保護者さんが頑張って、子供達とパーティーゲームなどをして盛り上げることもありますが、それなりに人徳や技術が無いとうまくいきません。 また、子供達の相手をしていたら、後のスナックタイムの用意ができなかったり、泣き出した子や張り切りすぎて猛り狂っているお子さんへの対応が難しくなったりします。

そういうわけで、誕生会の仕切りを一手に引き受けるプロフェッショナルな人々(当たり外れ大あり・・・)の手を借りるということになります。

彼らの能力、そして料金は多岐にわたり、忍者、科学者、手品師、動物使い、エルサ(ディズニー映画「アナと雪の女王」より)、人魚、ブタ、妖精、風船職人、フェイスペインターなど未知数です。

また、人気のあるエンターテイナーや会場は早々に押さえておかないといけないため、2−3ヶ月前には手配開始(大人気なところは、もっと前から)、そしてメール返信の遅い商売っ気の無いエンターテイナーやら会場管理者にイライラしながら日々を過ごし、パーティーの1ヶ月前から2週間ぐらい前に招待状を配る、そして、返事の期限を忘れている保護者にちょっとモヤモヤした気分を抱えながら(私も我が子が呼ばれたパーティーの返事を忘れたりするので、お互い様ですが)急かしてみる、などの事務作業があります。

実際のパーティーの様子。

忍者(?)が来て、手裏剣投げなど、忍者としての修行をしてくれます。

白衣の先生が、実験と遊びを通して、理科の楽しさを伝授。 先生のお顔が虚ろなのはご容赦ください。

会場側がアクティビティーも軽食も提供してくれるパターンは、親の労力が少なくて助かります。

時間単位でバウンシーキャッスルをレンタルすることもできます。 公共のホール、自宅の庭、スペースと電源のあるところならば、どこでも設置できます。

雨が降っても室内に設置可能なので、パーティーフードで質の悪い砂糖と油を摂取しすぎたお子さん達の良いエネルギー発散の場となります。

ただ、4−5歳以上は動きが活発になりすぎ、一度にたくさんの子供が乗ってしまうと怪我の危険性等が高くなるため、パーティーの間中、鬼のような鋭い目つきで監視する大人が必要になります。

4、そして一体おいくらに・・・?

「自分の子供にも、そしてわざわざ貴重な時間を作ってお祝いに来てくれたみんなに、楽しいひと時を過ごしてほしい」という綺麗事の裏には、大人の事情が。

会場費

ロンドン南東部の教会ホールや公民館の場合、1時間あたり20ポンド(3000円)から30ポンド(4500円)当たりが相場です。 準備用に1時間、パーティ用に2時間、そして後片付け用に1時間で合計4時間くらい使用する事が多いので、会場費だけで少なくとも1万2000円からスタート!

(最近はポンドが弱くなっていますが、わかりやすく1ポンド150円で計算しています)

予算押さえポイント

自宅開催ーしかしそれなりの人数を受け入れられる自宅となると、ロンドン周辺の場合は恐ろしい額に。

公園開催ー突然の雨でも、イギリスっ子なら平気。 夏場は気持ちもよく、子供も楽しく遊べます。ただ、我が子は逃走癖と迷子癖があったので、断念。

エンターテイナー費

子供の人数や内容によって、大きく差が出ますが、1時間あたり200ポンド(3万円)から300ポンド(4万5千円)の提示が多いです。

予算押さえポイント

・アイデア豊富で子供にも人気のある親が頑張る。

その他: パーティーフード、飲み物、紙皿、紙コップ、スプーン、フォーク、ナプキン、ゴミ袋、ケーキ、パーティーバッグ(来てくれた友人達へのお返しの品)など諸費用。

以上の事項から、お誕生会開催には親の努力、体力、気力、経済力、コミュニケーション能力、全てを試されるものであるという事が推察できます。

また、誰か一人だけが頑張ればなんとかなるという仕事量ではなく(ピザ屋さんでのピザ作り体験等、お店のスタッフが頑張ってくれるタイプは一人の親で切り盛り可能です)、チームワークも必要となってくるので、家族、親族、ベビーシッターさん、時には親切な会社の同僚などにもお手伝いをお願いすることになります。

対照的に、チームワークの作業に仲間割れはつきもの。 お互いの完成イメージが違っていたり、完成イメージは同じでも、そこまでの達成ポイント、妥協ポイントが微妙にずれることによって起こる軋轢。特に夫婦間は体力的、金銭的に直に利害を共有する(または押し付けあう)ことになりますので、どこかで意見が分かれると泥沼化しやすい傾向にあります。

そんな危険を冒しながらも開催せざるを得ないお誕生会。

今更ですが、最後に少しでも夫婦間の溝を埋められるようなお誕生会プランをご紹介させていただきます。

(参加可能人数、金額については各自お問い合わせをお願い致します)

・デコレーション寿司パーティー

イギリスで唯一の日本デコ寿司協会認定マイスターであり、インストラクターの資格保持者である先生と一緒に、楽しく美しいデコ寿司作りパーティー。

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・書道体験パーティー

日本で生まれ育った大人も知らないような、奥の深い書道ワールドを体験できます。

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こちらの写真は、筆圧の強さを子供たちに確認してもらうため、半紙の裏側を観察している様子です。

・フラワーアレンジメントパーティー

お花に囲まれて過ごす、素敵なバースデー。 自分好みのアレンジメントになるよう、先生が優しくお手伝いしてくださいます。

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About the Author: たぬき

兵庫県南部出身。 ロンドン周辺の高級住宅街には一度も住む事がないまま在英10年以上。 常に転職を考えているフルート&尺八吹きです。 将来の目標は、読書環境(漫画も含む)と食事情が好みの老人ホームを見つけて、楽しい老後を迎えることです。

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