秘密の味

Japanese food Tazaki Yutaka Harvest Campaign

慣れない仕事(過去記事参照)、15秒ごとに起こる我が子たちからのクレーム対応、深夜にまで及ぶオンライン漫画読書等で、心身ともに疲れ切っております。

全て身から出たサビとはいえ、家族(子供以外)から、親戚から、友人から、全てからに甘やかされて育ってきてしまった為、自分へのご褒美だけは決して忘れることのない立派な大人になりました。

そんな私が選び抜いた、今回のご褒美はこちら。

So Restaurant の

お惣菜デリバリー!

まだまだ外食する事に抵抗があったり、「ピザとカレーと中華のデリバリーはうんざり!でも、自分で作らず、お家でプロの味を楽しみたい!」というイギリス在住者にぴったりのサービスです。

英国全土発送可。地域によっては直送も可。

今週の献立は、

スズキの杉板焼きハンプシャーポーク味噌漬け、切り干し大根

豆腐厚揚げ

南京そぼろ餡かけ

美しく盛り付けられず、すみません! 包丁研がないと。。。

焼きしめ鯖

そして幻の裏メニュー

こちらは基本メニューには含まれておらず、追加注文です。

フォアグラ丼!!!!

「真空パックで一定時間熟成させる事により、タレが程良く染み込んでいるので、Take Awayよりは確実に、あるいは通常お店でお出しする以上に美味しく召し上がれます」(So Restaurant オーナー浜さん談)

どのお料理もお味はしっかり目(私基準。ちなみに、納豆パックに付いている出汁は半分以上使うと塩辛く感じます。実家で私が料理すると「病院食」と評価されます)で、日本酒との相性が抜群! 

お味だけでなく、真空パックから出した時のお料理から醸し出される香りが、素晴らしく御馳走でした

家族内での品評会の結果、

ーポークの味噌漬け、スズキの杉板焼き

ーしめ鯖、杉板焼きについていた椎茸、フォアグラ丼

ー豆腐厚揚げ、切り干し大根、南京

息子ー豆腐厚揚げ、ポークの味噌漬け

と、各人の評価が大きく分かれました。

量も4人家族(40代男女、9歳児、6歳児)にはかなりたっぷりで、2日に分けて楽しむ事ができました。

全体の感想

私は幼少の頃より「老後をいかに美味しく楽しく過ごすか」ということを課題に生きてきました。

食事環境の合わないイギリスの老人ホームにだけは身を寄せたくない為、自分好みの美味しいご飯が出る老人ホームを自分で作ろうかとも思っていたのですが、入居者を在英日本人のみに限ると商売にならないだろうし、キャラの濃いお客さんとやりとりできる器が自分には無いと悲観していたところでした。

しかしこのような美味しいお惣菜デリバリーがあるのなら、どの老人ホームでも生きていける気がします。 あとは大浴場の設置のみが課題です(普通のバスタブに浸かりながらVRメガネで擬似温泉体験は嫌)。

突撃インタビュー

単なる自分へのご褒美のはずが、自分の未来への希望にも繋がり大変感動した為、レストランオーナーの浜さんに根掘り葉掘りお尋ねいたしました。

質問1、このデリバリー制度を始めた時期

このサービスは、新型コロナウィルスによるロックダウン後の4月23日から始めました。

質問2、デリバリーに至った経緯や浜さんの思い

コロナの影響で外食、サービス業、観光業などをはじめとした多くのビジネスが致命的な影響を受けています。当初3月初めの頃まだその影響がどの程度になるものか測りきれず、それほどの影響はないと踏んでいました。

実はSo Restaurantは6月後半にリースの終了になることは分かっていて、3月の初頭の段階では別の場所に移転し営業を続ける予定でした。実際Sohoのかなりいい物件を見つけ契約の一歩手前まで行きました。それがコロナの影響が急速に深刻になってくる状況を受け急転直下、オファーをキャンセル、当面店を閉める方向を決めました。

ご存知のようにこれだけ世界中に深刻な影響を与えるパンデミックには私のみならず、ほとんどの人が経験したことのないスケールです。それ故に、こういう時期はリスクを最小限に抑え動向を見て行動しようと判断したわけです。 刻一刻と深刻さを増してゆく状況を見つつ、それでも政府の助成金に頼り為す術もなく「坐して死を待つ」ような姿勢ではいけないと、どうすれば一番良い方法で仕事を続けて行けるかを模索しました。

明白なのは恐らく多くの人が極力外出や人との接触を避けようという気持ちを持ち続けるようになり、それは1年や2年は続くであろうと判断しました。そういう中で今まで通りのレストランの営業は極めて難しくなるであろうと考え、代わりに料理を注文して届けてもらうサービスが支持されるであろうと思いました。まだまだ試行錯誤の連続で、必ずしも私の判断が時宜に適っていると断定はできませんが、少なくとも方向性は間違ってはいないと確信し、日々軌道修正しながら頑張っています。

3、コロナの影響(利用者が増えた、減った等)

コロナの影響は初めからそれを念頭に始めたわけですが、この数週間の流れでは徐々にですが、レストランの営業も始まりテイクアウェーやいろいろなサービスも増え、利用者様にとっては選択肢が増えた分だけ、お客様が右肩上がりで増えるというような状況ではありませんが、料理の内容の充実や、申し込み時の使い勝手の良さやなど工夫しながら一定のお客様ベースは保っているという感じです。

4、今後の予定

コロナの蔓延、それに対する社会の適応など見ながら、すぐではありませんがレストラン営業も視野に入れいろいろな選択肢からベストのサービス展開をしていきたいと思っています。

ちなみに3年ほど前から始めた別のサービスで、シェフが家に来て料理をしてくれるサイトもコロナ前にレブランディングを決め、この期間に準備を進めて7月7日にRe-lounchしたサービスがあります。こちらはお客さんが希望する内容と料金を提示して、それにシェフが応じてくれるというサービスです。まだロンドンが中心ですが、数百人のシェフが登録、その中の2−300人はかなりアクティブに反応します。よろしかったら覗いてみてください。

wedine.co.uk

最後に

ほとんど面識のない私からの突撃インタビューにもかかわらず、お忙しいお時間を割いて、とても貴重なお話をしてくださったオーナーの浜さんには感謝の言葉以上思い浮かびません。

また、インターネットを通して注文をやりとりした際のスタッフの方もとても丁寧で親切に接してくださり、乾いた心が癒されました。

この度は、本当にどうもありがとうございました!


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About the Author: たぬき

兵庫県南部出身。 ロンドン周辺の高級住宅街には一度も住む事がないまま在英10年以上。 常に転職を考えているフルート&尺八吹きです。 将来の目標は、読書環境(漫画も含む)と食事情が好みの老人ホームを見つけて、楽しい老後を迎えることです。

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